【銀行】安定配当のウェルズ・ファーゴ(WFC)

こんにちは。
いも次郎です。

今回紹介するのはウェルズ・ファーゴ(Wells Fargo & Co, WFC)です。

   Table of Contents

企業概要

ウェルズ・ファーゴはアメリカのカリフォルニア州に本拠を構える銀行です。

JPモルガン・チェースやバンク・オブ・ニューヨーク・メロンなど、金融派生商品を多く取り扱うようになっている中、ウェルズ・ファーゴは伝統的な銀行ビジネスを柱としています。

つまり、顧客の預金を住宅ローンや奨学金など、ローンとして貸し出すという分かりやすい銀行業務を営んでいます。

また、コミュニティバンキング(一般顧客向け)やホールセールバンキング(企業や機関投資家向け)といった、幅広い顧客に向けてサービスを提供しています。

さらに証券や投資信託、年金なども扱っているようです。

現在、全米最多の支店数を誇り、時価総額では世界4位、総資産でもアメリカ4位を誇る巨大銀行です。

ウェルズ・ファーゴの戦略として外せないのがクロスセルです。

クロスセルとは例えば住宅ローンの融資顧客に対してクレジットカードをすすめたり、逆にクレジットカードの顧客に対して住宅ローンをすすめたりと、自社顧客に対して追加で自社のサービスを売り込むことで、収益をアップするという手法です。

ウェルズ・ファーゴはこのクロスセル戦略が最も巧みな企業の一つと言われているようです。

歴史は長く、1852年にHenry WellsとWilliam G. Fargoによって創立されました。

彼らはウェルズ・ファーゴを創立する2年前の1850年にニューヨーク州で駅馬車事業を立ち上げました。

これがあのアメリカン・エキスプレスなのですが、アメリカン・エキスプレスの話はまた今度にしたいと思います。

1850年代と言えば西海岸はゴールドラッシュに沸いており、WellsとFargoはこれをビジネスチャンスととらえ、西海岸での事業を画策していました。

アメリカン・エキスプレスの取締役会でこの案は否決されてしまいますが、WellsとFargoは彼らの独自事業として西海岸で駅馬車と銀行事業を開始します。

その後1900年に入り、駅馬車事業と銀行事業が分離して、今のような形になりました。

現在のCEOのCharles ScharfはJPモルガン・チェースで上級職を、VISAやバンク・オブ・ニューヨーク・メロンでCEOを務めた後、2019年9月にウェルズ・ファーゴのCEOに就任しました。

まさにバンカー界のスーパースターというような人物です。

そんなウェルズ・ファーゴですが、さっそくデータを見ていきましょう。


データ分析

さて、まずは損益計算書を見ていきます。

損益計算書(単位:ドル)

伝統的な銀行業務にこだわっているだけあって、収入の内、利息収入が最も多いです。

形・規模共にJPモルガン・チェースに似ていますね。


売上高推移(ドル)

売上高の推移ですが、ほぼほぼ水平飛行です。

安心感があります。


営業利益率(%)

以前分析したファーストリパブリックバンクと比較すると低い水準ですが、JPモルガン・チェースやバンク・オブ・ニューヨーク・メロンと同水準といったところでしょうか。

少なくとも日本のメガバンクよりは高い水準です。


EPS(ドル/株)

一株当たりの純利益を表すEPSですが、こちらも安定した推移を見せています。


株主還元

続いては株主還元について見ていきましょう。

まずは一株当たりの配当金(ドル)と配当利回り(%)です。

配当金はわずかではありますが毎年増配しており、配当利回りはそこそこ高い水準です。

損益計算書も安定していますし、いも次郎的には今のところとても安心感がある銘柄です。


生み出した利益の中からどれだけ配当にお金を回しているかを表す配当性向(%)も少し見てみましょう。

高くはありませんが、まずまずといったところでしょうか。

この配当性向であの高利回りだったので、無理せず株主を喜ばせるという、理想的な配当の形ではないでしょうか。


またウェルズ・ファーゴはBuyback(自社株買い)をすることでも株主還元しています。

Buyback(自社株買い)とは文字通り自社の株を買い戻すことで、市場に流通している株式数を減少させます。

流通している株数が減少すれば一株当たりの価値が相対的に高まり(つまりEPS等が高まり)、それにより株価が上昇し、キャピタルゲインにより株主に還元するという手法です。

Buybackを含めた利回りは次の通りです。

Buybackを入れるとかなり高水準です。

Buybackには力を入れているようです。


ただし、Buybackしたからと言って株価が順調に上がるわけではありませんから、ここで株価の推移も見てみましょう。

株価

コロナ禍で急落していますが、それまではほぼ横ばいだったようです。

2020年12月4日時点でのPER(割安度合いの指標。低ければ低いほど割安で、アメリカ平均は20倍台)は10倍ほどですので、今はセール中と言ってもいいと思います。


貸借対照表(単位:ドル)

次に貸借対照表を見ていきましょう。

バンク・オブ・ニューヨーク・メロンJPモルガン・チェースにと比べると、顧客の預金で他にお金を貸すという伝統的な銀行の姿が見て取れます

銀行にもいろいろな形があるんですね。


自己資本比率(%)

自己資本比率はJPモルガン・チェースバンク・オブ・ニューヨーク・メロンと同水準です。

問題なさそうです。


ROE(%)

自社の純資産からどれだけの利益を生んでいるか、つまりいかに効率よく利益を生んでいるかを表すROEですが、こちらもJPモルガン・チェースバンク・オブ・ニューヨーク・メロンと同水準です。

一般に銀行のROEは他の業種と比べて低いとされていますから、他の銀行と比べて見劣りしなければ問題なさそうです。


キャッシュフロー(単位:ドル)

最後にキャッシュフローを見ていきましょう。

銀行なので営業キャッシュフローでガンガン現金を生み出すということではなく、投資キャッシュフローや財務キャッシュフローも注目しなければなりません。

ここ2年で現金が若干減ってきているのが気になりますね。

来年以降ちょっとだけチェックしていけばいいと思います。


結論

データから10点満点で下記の4項目を評価します。

利益安定性 (ストレスフリー度)7 / 10 点
財務健全性 (ストレスフリー度)6 / 10 点
株主還元性 (わくわく度)7 / 10 点
成長性 (わくわく度)5 / 10 点
あくまで主観なので、最終的にはご自身で評価してください

今回はぼちぼち高評価でした。


利益安定性については、今まで分析したJPモルガン・チェースやバンク・オブ・ニューヨーク・メロンと比較しても売上高・営業利益・ROEが遜色なく安定していますから、同水準の7点を付けました。


財務健全性については、伝統的な銀行の姿が見られ、安定感を感じますし、自己資本比率も今まで分析した銀行と遜色ありませんから、少し高評価の6点を付けました。


株主還元性については、株価はイケてませんが、配当利回りは今まで分析した銀行に比べて高めですから、そこそこ高評価の7点です。


最後に成長性ですが、伝統的な銀行の形を守っているということで、そういう意味では他行と差別化できているかなぁと思いますし、激しく成長することはないものの、手堅さを感じます。

ですので、中立の5点を付けました。


今回は高評価でしたが、まだまだ初心者で勉強不足のいも次郎の甘々分析です。

評価を鵜呑みにせず「こういう考え方もあるんだ」ぐらいにとどめておいてくださいね。


なお、本銘柄の売買を推奨するものではありません。
読者の本ブログの情報を基にして行う投資判断の一切について責任を負うものではありません。
売買はあくまでご自身で判断し、自己責任でお願いいたします。


That’s all !!

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