【カジノ】中国経済次第!?ウィン・リゾート(WYNN)

こんにちは。
いも次郎です。

今回紹介するのはウィン・リゾート(Wynn Resorts Ltd, WYNN)です。

   Table of Contents

企業概要

ウィン・リゾートはカジノとホテルの複合リゾート施設を運営する会社です。

カジノと言えばラスベガスですが、ウィン・リゾートは「ウィン・ラスベガス」というホテルを運営しています。

また、今や世界最大規模に成長したマカオにも「ウィン・マカオ」というホテルを持っています。

創業者のSteve Wynnは1970年代からラスベガスでカジノを運営し、その後ミラージュホテル・ベラージオなどの有名ホテルをオープンします。

これらはミラージュ・リゾート・グループとして発展したのですが、2000年に同業他社であるMGMにグループは買収されてしまいます。

Wynnはその後2002年に日本の実業家である岡田和生氏と共にウィン・リゾートを立ち上げ、現在のようにラスベガスとマカオにホテルを構えるに至りました。

2018年にWynnはCEOを辞任します。

現在のCEOのMatthew Maddoxはバンク・オブ・アメリカやほかのリゾート運営会社を経て2002年にウィン・リゾートに入社、2013年から2018年にかけては財務に関する最高責任者でした。

そんなウィン・リゾートですが、コロナ禍で打撃を受けていそうですが、さっそくデータを見ていきましょう。


データ分析

さて、まずは損益計算書を見ていきます。

損益計算書(単位:ドル)

コロナ禍前までは毎年純利益を出していました。

2016年から2018年にかけてはかなりの成長を見せていました。

中国とアメリカの貿易戦争が激しかった2019年は純利益を落としています。

マカオにもホテルを持っていますので、なんとなく中国経済に左右されるような動きですね。


四半期データ

さて、気になる四半期データも見てみましょう。

コロナ禍直撃ですね。

2019年後半はすでに純利益がほぼない状況でしたが、2020年に入って地獄の数字になっています。

2020年9月に売上高などが若干上向いているのは、中国の急回復が関係しているような気がします。


売上高推移(ドル)

売上高の推移ですが、やはり中国の調子が良かった2015年から2018年にかけてはぐんぐん伸びており、貿易戦争が激しくなった2019年は足踏みという感じだったようです。


営業利益率(%)

営業利益率の推移ですが、おおむね15%前後というところでしょうか。

単純比較はできませんが、ヒルトンも同じような水準でしたので、低くはなさそうです。


EPS(ドル/株)

一株当たりの純利益を表すEPSですが、こちらは少々波がありますね。

安心感という点では若干気になります。


株主還元

続いては株主還元について見ていきましょう。

まずは一株当たりの配当金(ドル)と配当利回り(%)です。

2015年から2015年にかけて減配していますね。

利回り自体は比較的高い水準です。


生み出した利益の中からどれだけ配当にお金を回しているかを表す配当性向(%)も少し見てみましょう。

2015年が異常なほど高かったんですね。

配当性向を見ると2016年の減配やむなしという気もします。

その後は50%前後を推移していますから、程よく配当を出しているという印象です。


またウィンリゾートはBuyback(自社株買い)をすることでも株主還元しています。

Buyback(自社株買い)とは文字通り自社の株を買い戻すことで、市場に流通している株式数を減少させます。

流通している株数が減少すれば一株当たりの価値が相対的に高まり(つまりEPS等が高まり)、それにより株価が上昇し、キャピタルゲインにより株主に還元するという手法です。

Buybackを含めた利回りは次の通りです。

Buybackはやったりやらなかったりと波がありますね。

ただし、Buybackしたからと言って株価が順調に上がるわけではありませんから、ここで株価の推移も見てみましょう。

株価

心電図みたいに上がったり下がったりしています。

コロナ禍で下がった株価はワクチンのニュースと共に急回復していますね。

コロナ禍から急回復してる中国のマカオにホテルを持っていますので、回復はもしかしたら早いかもしれません。


貸借対照表(単位:ドル)

次に貸借対照表を見ていきましょう。

純資産と売上高の推移が同じような挙動を見せています。

2018年に最高額を記録し、2019年に若干額を下げています。

流動比率(=流動資産÷流動負債)も100%をしっかり上回っているので、短期的には問題なさそうです。


自己資本比率(%)

自己資本比率は上昇傾向にあったのですが、2019年に下がってしまっています。

上昇傾向が続いて20%以上にはなってほしかったところですが、11%だと心もとない感じがしますし、コロナ禍で持ちこたえられるか不安が残りますね。


利益余剰金

純資産の内の利益余剰金(ざっくり言うと儲けて貯めたお金)の推移ですが、2019年は下げていますね。

やはりウィン・リゾートの財務状況も中国の経済状況に連動しそうです


ROE(%)

自社の純資産からどれだけの利益を生んでいるか、つまりいかに効率よく利益を生んでいるかを表すROEですが、2015年と2016年の純資産が低すぎたのでこのような推移になっています。

2019年の6%はアメリカ平均(16%程度)と比較すると物足りなさを感じます。


キャッシュフロー(単位:ドル)

最後にキャッシュフローを見ていきましょう。

毎年営業キャッシュフローを生み出しています。

現金は本業から安定して確保しているようです。

また、毎年割としっかり投資をしていたようで、コロナ禍がなければ今後の成長が期待できたんですが、、、


結論

データから10点満点で下記の4項目を評価します。

利益安定性 (ストレスフリー度)4 / 10 点
財務健全性 (ストレスフリー度)3 / 10 点
株主還元性 (わくわく度)5 / 10 点
成長性 (わくわく度)4 / 10 点
あくまで主観なので、最終的にはご自身で評価してください

今回は辛口でした。


利益安定性については、営業利益率は悪くないですし、2018年までは売上が上昇傾向だったものの、貿易戦争・コロナ禍とイベントリスクに弱い一面を見せていますので、ちょっと辛口の4点です。


財務健全性については、流動比率は100%をクリアしていますが、自己資本比率が心もとなく、コロナ禍の影響がかなり心配なので、辛口の3点です。


株主還元性については、配当利回りは悪くないものの、心電図みたいな株価の推移はいも次郎の心臓をきっと止めてしまいますので、中立の5点です。


最後に成長性ですが、コロナ禍の影響がどこまで響くか未知数ですが、中国の急回復がもしかしたらウィン・リゾートにもいい影響を与える可能性がありますので、辛口ながら期待を込めて4点です。


今回は辛口でしたが、まだまだ初心者で勉強不足のいも次郎の甘々分析です。

評価を鵜呑みにせず「こういう考え方もあるんだ」ぐらいにとどめておいてくださいね。


なお、本銘柄の売買を推奨するものではありません。
読者の本ブログの情報を基にして行う投資判断の一切について責任を負うものではありません。
売買はあくまでご自身で判断し、自己責任でお願いいたします。


That’s all !!

関連記事

最新記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA