【梱包・プチプチ】コロナ禍には強いが、、、シールドエアー(SEE)

こんにちは。
いも次郎です。

今回紹介するのはシールドエアー(Sealed Air Corp, SEE)です。

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企業概要

シールドエアーは梱包用製品を製造・販売する会社です。

バブルラップという日本で言うプチプチや点滴薬などを入れる袋など梱包材そのものを販売する一方で、梱包機械なども販売しています。

当然食品用の梱包製品も販売しており、食品関係は生活必需品なので、コロナ禍などのイベントリスクには強そうです。

設立は1957年で、最初はバブルラップが主力製品でした。

その後、他の企業と同様に多くの企業を買収しながら成長を続けてきました。

現在のCEOのTed Dohenyは2018年にCEOに就任するまでは過去分析したインガーソル・ランドで重役を、コマツの子会社であるKomatsu Mining CorpのCEOを務めていました。

そんなシールドエアーですが、さっそくデータを見ていきましょう。


データ分析

さて、まずは損益計算書を見ていきます。

損益計算書(単位:ドル)

毎年かろうじで純利益を出し続けています。

損益計算書の内容は毎年ほぼ固定ですので、安定はしているようです。


コロナ禍の影響を見るために四半期データも見てみましょう。

コロナ禍は完全に無視のようです。

安定して利益を出し続けていますね。


売上高推移(ドル)

売上高推移ですが、2017年を境に急に売上が落ちています。

しかし、その後安定飛行に戻っていますから、何か事業を整理したのでしょうか。

調べてみるとDiverseyという食品衛生事業の会社をベインキャピタルという投資会社に売却したようです。


営業利益率(%)

営業利益率ですが、Diverseyを売却してから若干上がっていますので、整理には一応成功した模様です。

また、報告書を見ていると、人員もある程度整理しているようで、スリム化を図っているようです。

水準自体は可もなく不可もなくというところでしょうか。


EPS(ドル/株)

一株当たりの純利益を表すEPSですが、純利益が少なかった2017年の数値が上がっています。

これは事業廃止分の利益、つまり事業売却分も含んでいますから、このような数字になっています。

事業を売却後の2018年から2019年にかけてはひとまず上昇していますので、整理は順調に進んでいるのように見えます。


株主還元

続いては株主還元について見ていきましょう。

まずは一株当たりの配当金(ドル)と配当利回り(%)です。

2017年までは増配していましたが、それ以降は横ばい推移です。

利回りは高くありませんね。

2017年以降はひとまず事業のスリム化を頑張って行っているという感じなのでしょうか。

スリム化が完了した後の増配に期待したいところです。


またシールドエアーはBuyback(自社株買い)をすることでも株主還元しています。

Buyback(自社株買い)とは文字通り自社の株を買い戻すことで、市場に流通している株式数を減少させます。

流通している株数が減少すれば一株当たりの価値が相対的に高まり(つまりEPS等が高まり)、それにより株価が上昇し、キャピタルゲインにより株主に還元するという手法です。

Buybackを含めた利回りは次の通りです。

かなりBuybackに力を入れていることが分かります。

ただし、Buybackしたからと言って株価が順調に上がるわけではありませんから、ここで株価の推移も見てみましょう。

株価

横ばいが続いていますね。

コロナ禍で一時かなり値を下げていますが、四半期データでも見たようにコロナ禍には強い耐性を持っていますので、コロナ禍前の水準まで値を戻しています。


貸借対照表(単位:ドル)

次に貸借対照表を見ていきましょう。

2018年から純資産が赤字になっていますね。。。

この年にポリエチレン材の製造会社を買収したようで、この買収で現金を使ったようです。

また、Buybackにも現金を使ったので純資産が赤字になったようです。

2019年に赤字が減っていますし、流動比率(=流動資産÷流動負債)がかろうじで100%を超えていますので、すぐに潰れるということはなさそうですが、ストレスフルな貸借対照表です。


自己資本比率(%)

自己資本比率の推移ですが、2018年以降赤字なので当然マイナスですが、それ以前も決して高くはありませんね。

心もとない数字です。


キャッシュフロー(単位:ドル)

最後にキャッシュフローを見ていきましょう。

毎年しっかり営業キャッシュフローをプラスにしていますが、Diverseyを売却してから営業キャッシュフローは半減しています。

なんで売っちゃったんですかね。。。

確かに売却した2017年の投資キャッシュフローはすさまじいプラスになっていますが、、、

2017年以外は投資にしっかりお金を使っているようなので、売却事業以外に成長性を感じ、そちらに投資したいからお金を捻出するために売却したのでしょうか。

今後の推移に期待ですね。


結論

データから10点満点で下記の4項目を評価します。

利益安定性 (ストレスフリー度)5 / 10 点
財務健全性 (ストレスフリー度)2 / 10 点
株主還元性 (わくわく度)3 / 10 点
成長性 (わくわく度)5 / 10 点
あくまで主観なので、最終的にはご自身で評価してください

今回は辛口でした。

利益安定性については、営業利益率はさほど高くはありませんが、売上高も事業売却後は横ばいで推移していますし、コロナ禍の影響もほぼなさそうなので、ひとまず中立の5点です。


財務健全性については、純資産の赤字をどうにかしてからですね、2点です。


株主還元性については、配当利回りは高くなく、配当も横ばい、株価も横ばいと、全くワクワクしませんので、3点です。


最後に成長性ですが、スリム化を図りつつ投資もしていますので、期待できなくもないですが、この財務体質で果たして成長できるのか疑問ですので、中立の5点です。


今回は辛口でしたが、まだまだ初心者で勉強不足のいも次郎の甘々分析です。

評価を鵜呑みにせず「こういう考え方もあるんだ」ぐらいにとどめておいてくださいね。


なお、本銘柄の売買を推奨するものではありません。
読者の本ブログの情報を基にして行う投資判断の一切について責任を負うものではありません。
売買はあくまでご自身で判断し、自己責任でお願いいたします。


That’s all !!

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