【不動産】株価下がりすぎ!?キムコ・リアルティ(KIM)

こんにちは。
いも次郎です。

今回紹介するのはキムコ・リアルティ(Kimco Realty, KIM)です。

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企業概要

キムコ・リアルティはアメリカの不動産会社です。

キムコ・リアルティは全米に400以上のショッピングセンターと大都市圏に多数の貸店舗を所有しています。

前に分析した同じ不動産会社のSLグリーン・リアルティは主にニューヨークを中心としたオフィスやショッピングなどのビルの不動産を持っていましたが、今回のキムコ・リアルティは主にショッピング店舗の不動産を全米に広く持っているようです。

WalmartやCOSTCO、Targetなどの生活必需品を扱うお店の不動産も所有しているようですが、一方ではRoss Dress for Lessなど、コロナ禍の影響を受けているお店の不動産も扱っているので、キムコ・リアルティ自体のコロナ禍の影響も心配ですね

従業員は500名前後のようです。

設立は1966年で、他の企業と同様に買収を繰り返しながら成長してきました。

CEOのConor C. Flynnは2003年にキムコ・リアルティに入社し、2017年にCEOに就任しました。

そんなキムコ・リアルティですが、さっそくデータを見ていきましょう。


データ分析

さて、まずは損益計算書を見ていきます。

損益計算書(単位:ドル)

毎年しっかり利益を生み出しているようです。

持分法による投資利益が計上されています。

これは意思決定を支配できるほどではないものの、投資会社が一定の影響力を行使できる投資先会社の利益を、投資割合に応じて加算するという会計方法です。


コロナ禍の影響を見るために、四半期データも見てみましょう。

2020年6月に営業外利益が爆発しているため、異様なグラフになっていますが、注目はコロナ禍の影響が出ているであろう2020年3月でも売上高は堅調に推移しているということです。

これを見る限りではコロナ禍の影響は限定的なのかなぁという印象です。


売上高推移(ドル)

売上高の推移ですが、横ばい傾向です。

安定感のある推移になっていますね。


営業利益率(%)

営業利益率の推移ですが、減少傾向なのは少々気になりますが、高水準で安定しています。

これぞぼろ儲けという感じでしょうか。


EPS(ドル/株)

一株当たりの純利益を表すEPSですが、2015年から2016年にかけて落ちています。

これは2015年から2016年にかけて持分法の投資利益が減ってしまったからだと思われます。

その後は安定飛行ですから、まぁ問題なさそうです。


株主還元

続いては株主還元について見ていきましょう。

まずは一株当たりの配当金(ドル)と配当利回り(%)です。

2018年から2019年にかけては増配なしでしたが、それ以外の年ではしっかり増配しています。

また、配当利回りもかなり高めですね。

高配当株と言っていいと思います。


生み出した利益の中からどれだけ配当にお金を回しているかを表す配当性向(%)も少し見てみましょう。

2017年からは100%を超えています。

生み出した利益以上に配当を出しているということですから、しかも3年連続でそのような状況ですから、配当に対しての並々ならぬ姿勢をうかがい知ることもできますが、ちょっと行き過ぎているようにも感じます


株価の推移も見てみましょう。

株価

収入が減った2016年には一気に株価が半減するような状況でした。

そして、コロナ禍でもかなり値を下げています。

2016年の下落は直感的にも不思議ではないですが、コロナ禍での下落については、売上高は落ちていませんから、なんとなく下げすぎかなぁという印象です。


貸借対照表(単位:ドル)

次に貸借対照表を見ていきましょう。

さすが不動産会社、固定資産だらけです。

流動比率(=流動資産÷流動負債)は100%を超えていますし、純資産もたっぷりありますから、財務的には安定しているのかなぁという印象です。

額も形も安定していますし、安心感があります。


自己資本比率(%)

自己資本比率は高めですね。

また、安定もしていますから、とても好印象です。


利益余剰金

純資産の内、利益余剰金の推移は毎年マイナスが膨らんでいます。

配当性向が100%を超えていますから、配当にお金を回した結果の推移のような感じがします。


ROE(%)

自社の純資産からどれだけの利益を生んでいるか、つまりいかに効率よく利益を生んでいるかを表すROEですが、こちらも2016年以降低水準になっています。

アメリカではROEが10%を超える企業がザラにありますから、2016年以降の水準には物足りなさを感じます


キャッシュフロー(単位:ドル)

最後にキャッシュフローを見ていきましょう。

毎年しっかり営業キャッシュフローを生み出しているのは評価できます。

投資にはあまりお金を使っていないようですが、不動産投資の会社なので、もう少し投資にお金を使ってもいいんじゃないかなぁという印象です(なんとなく守りの姿勢が伺えます)。


結論

データから10点満点で下記の4項目を評価します。

利益安定性 (ストレスフリー度)5 / 10 点
財務健全性 (ストレスフリー度)6 / 10 点
株主還元性 (わくわく度)6 / 10 点
成長性 (わくわく度)5 / 10 点
あくまで主観なので、最終的にはご自身で評価してください

今回は株価の動きには反しますが、若干高評価でした。

利益安定性については、2016年以降収入が落ち込み、ROEも低水準となりましたので不安な要素がないわけではありませんが、それでも利益はしっかり出していますし、コロナ禍にも耐えていますから、中立の5点を付けました。


財務健全性については、利益余剰金の推移が気になるところではありますが。自己資本比率が高く、流動比率も100%を超えていますから、財務的にはあまり問題なさそうなので、6点を付けました。


株主還元性については、ここ最近の株価の推移はイケてませんが、売上高を見る限りではコロナ禍にも耐えていますし、下げすぎかなぁと思っています。

現にPER(割安度合いの指標。低ければ低いほど割安で、アメリカ平均は20倍代)は1桁代なので、割安かなぁと。

また、利回りも高水準ですので、若干評価高めの6点です。

正直この評価は人によって大きく変わるかなぁとは思います。


最後に成長性ですが、コロナ禍次第なところはありますが、WalmartやCOSTCO、Targetなど必需品小売りのお店の不動産を多数持っていますし、売上高は安定していますから、将来にあまり悲観的になる必要もないのかなぁとは思います。

ただ、ROEの低さなど不安な要素がないわけではないですし、投資キャッシュフローから守りの姿勢が見て取れましたので、中立の5点を付けました。


今回は若干高評価でしたが、まだまだ初心者で勉強不足のいも次郎の甘々分析です。

評価を鵜呑みにせず「こういう考え方もあるんだ」ぐらいにとどめておいてくださいね。


なお、本銘柄の売買を推奨するものではありません。
読者の本ブログの情報を基にして行う投資判断の一切について責任を負うものではありません。
売買はあくまでご自身で判断し、自己責任でお願いいたします。


That’s all !!


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