【ハイブリッドクラウド】意外性のネットアップ(NTAP)

こんにちは。
いも次郎です。

本日紹介する企業はネットアップ(NetApp, NTAP)です。

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企業概要

ネットアップは1992年に創立された企業・研究施設向けオンラインストレージサービス・ITソリューションを提供している企業です。

本社はカリフォルニア州にあり、日本法人もあります。

スローガンに「Go Further, faster」を掲げ、ハイブリッドクラウドのリーディングカンパニーを自称しています。

ハイブリッドクラウドとは、不特定多数のユーザーが利用するパブリッククラウドと、自前のクラウドサーバーを用いるプライベートクラウドの両方をうまく使用することで、パブリッククラウドのセキュリティ問題とプライベートクラウドの費用面の問題をうまくカバーしあうというもののようです。

昨今テレワークやデジタルトランスフォーメーション等の推進によりクラウドサービスはこれまで以上に重要視されるようになってきていますから、ネットアップも注目の銘柄になりそうですね。

世界中に110か所以上の拠点を持ち、従業員数も10,000人を超えています。

パートナー企業はAmazon・Google・Microsoft等の巨大グローバルIT企業、さらには富士通やNTTなどのおなじみの企業までそうそうたる顔ぶれです。

そんなネットアップですが、さっそくデータを見ていきましょう。

データ分析

さて、まずは損益計算書を見ていきます。

損益計算書(単位:ドル)

2018年まではひやひやの損益計算書でしたが、2019年以降は好転しています。

2020年は売上原価がかなり減って、その分純利益を獲得していますので、効率化に成功したような気配です。

売上高推移(ドル)

売上高は横ばいといったところでしょうか。

結構伸びそうな分野かなぁと思っていたんですが、今のところそうでもないようです。

営業利益率(%)

営業利益率は上昇傾向です。

売上高はあまり伸びていませんが、うまく利益を出せるような体質になりつつあると言えそうです。

EPS(ドル/株)

一株当たりの純利益を示すEPSですが、2019年以降好転しています。

2019年を境に投資家的にもとても評価できる企業に様変わりしているという印象ですね。

四半期データ

コロナ禍の影響を見るために4半期のデータも見ていきましょう。

世界中でコロナ禍の影響が出てきている2020.4.29ではそこまで影響が感じられませんが、7.30に各数字が落ちています。

コロナ禍に強そうなイメージがありましたから意外なデータです。

テレワークの推進によるいい影響以上に世界中でビジネスが停滞している悪い影響の方が大きいのでしょうかね。

株主還元

続いては株主還元について見ていきましょう。

まずは一株当たりの配当金(ドル)と配当利回り(%)です。

まずここ数年は毎年増配しているのは評価できます。

配当利回りもそこそこ高いので、いも次郎は結構好きですね。

IT系はあまり配当を出さない印象がありましたから、ここではいい意味で期待を裏切ってくれています。

配当性向も少し見てみましょう。

配当性向はかなり高めですね。

かなり気合を入れて株主還元しているのが分かります。

営業利益率もここ数年上昇していますし、今後はもっと株主還元してくれるという期待も持てます。


またネットアップはBuyback(自社株買い)をすることでも株主還元しています。

Buyback(自社株買い)とは文字通り自社の株を買い戻すことで、市場に流通している株式数を減少させます。

流通している株数が減少すれば一株当たりの価値が相対的に高まり(つまりEPS等が高まり)、それにより株価が上昇し、キャピタルゲインにより株主に還元するという手法です。

Buybackを含めた利回りは次の通りです。

Buybackを含めるとかなり高利回りだと言えそうです。

ただし、Buybackしたからと言って株価が順調に上がるわけではありませんから、ここで株価の推移も見てみましょう。

株価

2018年にぐんぐん株価が伸びていましたが、その後暴落していますね。

株価を見るとBuybackの効果はほぼほぼなかったようです。

ちょっと投資するにはリスク高めかなぁという印象です。

貸借対照表(単位:ドル)

次に貸借対照表を見ていきましょう。

ここ数年は純負債は抱えていませんが、純資産が減ってきていますね。

そして流動資産がぐんぐん減っています。

まだ流動資産が流動負債を上回っていますが、拮抗しつつあり、要注意ですね。

自己資本比率(%)

自己資本比率の減少は2017年から始まっており、その勢いが弱まるような挙動をまだ見せていません。

正直バランスシートは激ストレスフルです。

これが株価に反映されてイケていない推移を描いていたわけですね。

ROE(%)

自社の純資産からどれだけの利益を生んでいるか、つまりいかに効率よく利益を生んでいるかを表すROEですが、こちらはここ数年は爆増です。

効率化が進んでいる側面はあるでしょうが、自己資本比率の落ち込みを見ると、あんまり評価できませんね、、、

キャッシュフロー(単位:ドル)

最後にキャッシュフローを見ていきましょう。

まず、毎年営業キャッシュフローがプラスなのは評価できます。

ただここ数年投資キャッシュフローを捻出して、大きな額の財務キャッシュフローのマイナスを補っています。

事業を整理し、効率化を図っているともとらえられますが、この傾向が今後も続くと成長が鈍化するんではないかとも考えられますので、要注意のような感じもしますね。

結論

データから10点満点で下記の4項目を評価します。

利益安定性 (ストレスフリー度)6 / 10 点
財務健全性 (ストレスフリー度)3 / 10 点
株主還元性 (わくわく度)5 / 10 点
成長性 (わくわく度)4 / 10 点
あくまで主観なので、最終的にはご自身で評価してください

今回は評価が難しかったです。

利益安定性ですが、売上高は横ばいでコロナ禍で若干減少気味、営業キャッシュフローも2018年を頂点にした山型を描いているので、ちょっと今後の推移が気になりますが、営業利益率が上昇傾向ですし、EPSも好転しているので、少し高評価の6点です。

財務健全性ですが、流動資産が流動負債をとりあえずは上回っていますが、自己資本比率の減少が激しいので、若干辛口の3点を付けました。

株主還元性については、増配が続いており、利回りも比較的高水準ですが、株価がかなりストレスフルなので、中立の5点を付けました。

最後に成長性ですが、成長しそうな分野なのですが、データを見る限りでは売上高も横ばいですし、投資キャッシュフローから、なんとなく事業を整理している印象もありますので辛口の4点を付けました。

今回は若干辛口評価でしたが、まだまだ初心者で勉強不足のいも次郎の甘々分析です。

評価を鵜呑みにせず「こういう考え方もあるんだ」ぐらいにとどめておいてくださいね。


なお、本銘柄の売買を推奨するものではありません。
読者の本ブログの情報を基にして行う投資判断の一切について責任を負うものではありません。
売買はあくまでご自身で判断し、自己責任でお願いいたします。


That’s all !!

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