【不動産】データセンターのデジタル・リアルティ(DLR)

こんにちは。
いも次郎です。

今回紹介するのはデジタル・リアルティ(Digital Realty Trust, Inc., DLR)です。

   Table of Contents

企業概要

デジタル・リアルティはサンフランシスコに本拠を置いている不動産会社です。

扱う不動産は主にデータセンターです。

データセンターは非常に特殊な建物で、データのやり取りに必要な無数の光ケーブルの設置、サーバーを冷やすための強力な空調システム、電力の安定化のための複数の電力供給系統の確保、予備電源の設置、サーバーは水に弱いのでCO2やハロンガスを用いた消化設備の設置、セキュリティ設備の設置など、様々な要件が求められます。

これら複雑な要件をクリアする必要があるため、データセンターの開設には多額の費用が掛かります。

デジタル・リアルティはデータセンター用の特殊な物件を保有し、リースやデータセンター管理のノウハウを生かしたコンサルティングなどを行っています。

今までもいくつか不動産銘柄を分析しましたが、不動産と言っても様々なジャンルがあるようです。


・NYのオフィスやショッピングビルの不動産


・ショッピングセンターの不動産

デジタル・リアルティは日本をはじめ世界24カ国に280か所以上のデータセンターを所有しています。

FacebookやIBMなど、巨大IT企業とも取引しています。


設立は2004年と比較的新しい会社です。

CEOのA. William Steinは2004年にデジタル・リアルティに入社する前は銀行や電機メーカーなどで上級職を務め、投資とデータセンターの運営には詳しそうです。

そんなデジタル・リアルティですが、さっそくデータを見ていきましょう。


データ分析

さて、まずは損益計算書を見ていきます。

損益計算書(単位:ドル)

毎年しっかり純利益を出し続けています。

原価と営業費用が50:50なのは他の不動産銘柄も一緒でしたから、まぁそんなものなのかなぁという感じですね。


四半期データ

コロナ禍の影響を見るために四半期データも見ていきます。

純利益のグラフは営業外損益等々で少し変則的な推移を見せていますが、他のグラフを見る限りではコロナ禍はむしろ追い風のようですね。

リモートワーク需要の向上など、巣篭り社会ではクラウドサービスなどの大規模サーバーを使用するサービスの需要が急拡大するでしょうから、追い風であっても不思議ではありませんね。


売上高推移(ドル)

売上高の推移ですが、ここ数年の伸びはすごいですね。

コロナ禍特需が期待できますから、今後も大きく伸びることが予想できます。


営業利益率(%)

営業利益率はそこそこの水準ですね。

この水準を維持しながら売上高を伸ばしていけば、大きく成長することが期待できそうです。


EPS(ドル/株)

一株当たりの純利益を表すEPSですが、こちらは若干波がありますね。

営業外費用が純利益に大きく影響する体質のようです。


株主還元

続いては株主還元について見ていきましょう。

まずは一株当たりの配当金(ドル)と配当利回り(%)です。

ここ5年は毎年増配しており、利回りも高いですので、配当重視の人にはいい銘柄だと思います。


生み出した利益の中からどれだけ配当にお金を回しているかを表す配当性向(%)も少し見てみましょう。

ここ5年は100%を軽く超えていますから、配当に並々ならぬ姿勢を示しています。

まぁちょっと高すぎる気がしますが、、、


ここで株価の推移も見てみましょう。

株価

株価はやはり売上高が伸びていることもあり、ここ数年では上昇傾向にありますね。

そして、2020年の推移を見る限りでは、コロナ耐性の高さを感じますね。

PER(割安度合いの指標。低ければ低いほど割安で、アメリカ平均は20倍代)ですが、2020年11月17日時点で60倍を超えていますから、他のハイテク銘柄に負けず劣らず割高の評価になりそうです。


貸借対照表(単位:ドル)

次に貸借対照表を見ていきましょう。

純資産はたっぷりありますが、流動比率(=流動資産÷流動負債)が100%を大きく下回っているのが気になります。

これは1年以内に現金化できる資産以上に1年以内に返済すべき借金があることになりますから、一般的には100%を下回ると短期的な返済能力が乏しいということになります。

売上を速やかに現金化できる場合はさほど気にする必要はないのですが、不動産だと速やかに現金が回収できるというイメージがあまりないので、いも次郎はこの流動比率の低さは気になります。


自己資本比率(%)

自己資本比率は高めなので、長期的には安定感があるのでしょうが、、、


累積余剰金

累積余剰金ですが、やはりマイナスが膨らんでいます。

あれだけ配当性向が高ければ当然の推移ですね。


ROE(%)

自社の純資産からどれだけの利益を生んでいるか、つまりいかに効率よく利益を生んでいるかを表すROEですが、今まで分析してきた不動産銘柄と同様に低めです。

他の今まで分析してきた不動産銘柄と比較すると、高くもなく低くもなくですね。


キャッシュフロー(単位:ドル)

最後にキャッシュフローを見ていきましょう。

毎年営業キャッシュフローを生み出しており、額も増えてきているので、この点は好感が持ています。

また、流動比率を補うほどには営業キャッシュフローを生み出していますので、流動比率の低さはここでカバーできているかなぁという気もします。


投資については成長分野の不動産ですので、どんどん投資しているようです。


結論

データから10点満点で下記の4項目を評価します。

利益安定性 (ストレスフリー度)7 / 10 点
財務健全性 (ストレスフリー度)3 / 10 点
株主還元性 (わくわく度)7 / 10 点
成長性 (わくわく度)9 / 10 点
あくまで主観なので、最終的にはご自身で評価してください

今回は高評価でした。


利益安定性については、売上高・営業キャッシュフローが伸びており、営業利益率もそこそこ高いので、安心感があります。

ですので、高評価の7点です。


財務健全性については、流動比率の低さは気になります。

営業キャッシュフローで今のところはカバーできていますが、やはりこの流動比率の低さは気になります。

また、配当性向が高すぎて累積余剰金のマイナスが膨らんでいますので、辛口の3点です。


株主還元性については、ここ数年の株価の伸びと利回りの高さは好感が持てますので、7点です。


最後に成長性ですが、データセンターはウィズコロナ世界では必須ですし、コロナがなくても技術革新には必要な施設です。

現に売上高は順調に伸びていますから、超高評価の9点でした。


今回は高評価でしたが、まだまだ初心者で勉強不足のいも次郎の甘々分析です。

評価を鵜呑みにせず「こういう考え方もあるんだ」ぐらいにとどめておいてくださいね。


なお、本銘柄の売買を推奨するものではありません。
読者の本ブログの情報を基にして行う投資判断の一切について責任を負うものではありません。
売買はあくまでご自身で判断し、自己責任でお願いいたします。


That’s all !!

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